#1
高野優のストレス解消法と趣味。
高野優さんのストレス解消法と趣味です。
ご自身も「HSP」である高野さんを、歓迎して迎え入れてくれる、そんな場所に出会ったお話です。
0:41 「HSP」は病気じゃなくて、生まれ持った気質です
3:17 「いつか」と「オバケ」はないんだなぁと
5:09 山からもらった宝物
7:34 ひとつの登山、ひとつの物語
スクリプト・文字起こし
00:01
リカバリーストーリーは、様々な人に悩みから立ち直った経験や、日頃のストレス解消法を自由に話してもらうポッドキャストです。こんにちは、高野優です。もともとイラストの仕事をしていましたが、ひょんなことから育児漫画を書いて25年。「ひょん」って何なんでしょうね。子育ての講演もしていて、参加してくださる方のおかげで、47都道府県コンプリートになりました。最近では「HSP」の本も出しています。
00:41
「HSP」は病気じゃなくて、生まれ持った気質です
それでは、本日のテーマ「ストレス解消法と趣味」に入る前に、少しだけ「HSP」についてお付き合いください。ここ数年話題になっている「繊細さん」や「敏感さん」なんて言葉、どこかで見聞きしていませんか?新しく耳に入る言葉はどうしても誤解を招きがちなので、少しだけ説明をさせてください。
これは1996年にアメリカの心理学者エレインアーロン氏が提唱した概念です。Highly Sensitive Person。頭文字を用いて「HSP」と呼びますが、これは生まれつき敏感な気質を持った人。環境や性格などの後天的なものではなく、先天的なものですね。生まれ持った気質なので、病気ではないんです。人口の15%から20%、およそ5人に1人があてはまるので、学校の40人クラスだと敏感な生徒が8名いる計算になります。教室にいると、蛍光灯のちらつきや、板書するチョークの音や匂い、先生が生徒を怒鳴る声。気にもとめない、ほとんどのクラスメイトとは逆で、気になって我慢をする生徒が数名。
そのうちの1名が、わたしなんです。これが単なる気質だと知った時、あー、だからあの時こうだったんだ、と、すとんと腑に落ちて楽になりました。全て敏感に捉えてしまうので、いつだって疲れるのは、体ではなく、頭。なので、自分に合うストレス解消法をずっと探していました。もっと「HSP」について知りたーいという方は、漫画でわかりやすく書いていますので、是非、わたしの本を手に取ってくださいね。いつかのわたしが「気質」だと知って胸を撫で下ろしたように、もしも今、悩んでいる方がいたら、同じようにホッとしていただきたいです。
03:17
「いつか」と「オバケ」はないんだなぁと
さあ、そこで今回のテーマ「ストレス解消法と趣味」。この2つをいっぺんに叶えてくれる、夢のようなものを見つけました。
何だと思いますか?
答えは「登山」。もともと富士山が大好きで、いつか登ってみたいなぁと憧れていて。でもそんな時、新型コロナウイルス感染拡大で、当たり前だと思っていた生活が崩れていったんですね。よく通っていたカフェやライブハウスが次々と休業に追い込まれ、人気のない商店街を歩きながら、これからどうなっちゃうんだろうと心がざわついたり。感染拡大防止のため、富士山の登山道を閉鎖するというニュースを見たときは、ショックでたまらなくて。
よく聞く言葉ですが、「いつか」と「オバケ」はないんだなぁと。いつか登りたいじゃなくて、登れる時に登らなくちゃ。
ただ、体力に自信がなかったので、まずは歩こうと意識しました。ひとりウォーキングキャンペーンですね。エスカレーターやエレベーターはこの世に存在しないものだと思い込んで、ひたすら歩いて登って下って。それまでは歩くことも運動も嫌いで、徒歩10分なんて聞くと、うわ~遠い~!なんてぼやいていましたが、今では、徒歩360分、6時間くらいなら、なんとか許容範囲です。すごい成長でしょ?まさに、千里の道も一歩から。
05:09
山からもらった宝物
体力がついてきた頃を見計らって、まずは標高の低い山に挑戦しました。揺らぐ木漏れ日、鳥のさえずり、木や土の匂い、清々しい空気、ゴツゴツとした岩肌。視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚、五感の全てが満たされたと同時に、山から歓迎されているような気持ちになったんです。変な錯覚ですよね。先ほどの「HSP」の話に戻りますが、五感が敏感なのも特徴の1つです。普段の生活だと、眩しすぎる光や騒音、鼻につく匂い、肌触りの悪さなど、敏感さをネガティブに捉える場面が多いのに、山は全く逆で、持て余していた五感に感謝したほどです。
そしてもう1つね、嬉しい変化がありました。10代や20代の頃はバックパッカーをしていて、毎朝、地図を広げて、今日はどの国へ行こうかなぁと考えるところから始めていました。インターネットがない時代だったので、かなりのサバイバルでしたが、性に合っていたんでしょうね。けれど、結婚して母親になり、子どもを育て、地に足がついた日々を過ごしているうち、冒険心は薄れて消えて。それが登山を始めて、大きな岩を登ったり、鎖をつかんだ瞬間、忘れていた気持ちが溢れ出したんです。「わー!こういうダイナミックなことが大好きだった!」って。わたしには成人した3人の娘がいて、子育て終了のゴングが鳴ったところなんですね。親の役目が終わり、自分なんてもう必要ないのかなぁと、ちょっとだけひねくれていたので、このタイミングに大好きだった気持ちを思い出せたのは、古ぼけた宝箱から宝物を見つけたような感覚でした。見つけられて、本当によかった。
07:34
ひとつの登山、ひとつの物語
それから登山に夢中になり、去年は念願の富士山に3.5回登りました。0.5回という中途半端な謎のカウントは、暴風雨で視界が遮られ、やむを得ず、富士山の側火山でもある宝永山に登ったからです。宝永山のクレーターは圧倒的で、山に対して尊敬と崇拝を、畏怖の念を抱きました。最近は山にいる時間が多くなったので、友人から連絡が来る時は決まって、「今、山?下界?」なんて聞かれるんですよ。
春の山も夏の山も、そして秋の山も、それぞれの季節の良さがありますが、つい先日、初めて冬の雪山に登ってきました。悪天候のため登山客はまばらで、聴こえてくるのは降り積もる雪の音と、踏みしめる自分の足音だけ。息を飲むというのはまさにこのことで、静寂さと雪景色が、別世界へ連れて行ってくれたようでした。電波が届かない場所も多いため、デジタルデトックスになるんですね。自然にフォーカスできることも、魅力のひとつじゃないかしら。
体力も技術もまだまだ未熟ですが、挑戦したい山が、国内にも海外にもあります。登山は、ゆったりとリラックスできて、また明日から頑張ろうと自分を鼓舞して、リカバリーできる。ひとつの山を登るたび、ひとつの物語が生まれます。もっともっと、この物語を綴っていけますように。もしね、登山に興味を持たれた方がいらっしゃったら、まずはウォーキングやハイキングから始めるのはいかがですか?いつの日か、山でお会いできたら、とっても嬉しいです。
以上、わたしのリカバリーストーリーでした。
リカバリーストーリーは、様々な人に悩みから立ち直った経験や、日頃のストレス解消法を自由に話してもらうポッドキャストです。こんにちは、高野優です。もともとイラストの仕事をしていましたが、ひょんなことから育児漫画を書いて25年。「ひょん」って何なんでしょうね。子育ての講演もしていて、参加してくださる方のおかげで、47都道府県コンプリートになりました。最近では「HSP」の本も出しています。
00:41
「HSP」は病気じゃなくて、生まれ持った気質です
それでは、本日のテーマ「ストレス解消法と趣味」に入る前に、少しだけ「HSP」についてお付き合いください。ここ数年話題になっている「繊細さん」や「敏感さん」なんて言葉、どこかで見聞きしていませんか?新しく耳に入る言葉はどうしても誤解を招きがちなので、少しだけ説明をさせてください。
これは1996年にアメリカの心理学者エレインアーロン氏が提唱した概念です。Highly Sensitive Person。頭文字を用いて「HSP」と呼びますが、これは生まれつき敏感な気質を持った人。環境や性格などの後天的なものではなく、先天的なものですね。生まれ持った気質なので、病気ではないんです。人口の15%から20%、およそ5人に1人があてはまるので、学校の40人クラスだと敏感な生徒が8名いる計算になります。教室にいると、蛍光灯のちらつきや、板書するチョークの音や匂い、先生が生徒を怒鳴る声。気にもとめない、ほとんどのクラスメイトとは逆で、気になって我慢をする生徒が数名。
そのうちの1名が、わたしなんです。これが単なる気質だと知った時、あー、だからあの時こうだったんだ、と、すとんと腑に落ちて楽になりました。全て敏感に捉えてしまうので、いつだって疲れるのは、体ではなく、頭。なので、自分に合うストレス解消法をずっと探していました。もっと「HSP」について知りたーいという方は、漫画でわかりやすく書いていますので、是非、わたしの本を手に取ってくださいね。いつかのわたしが「気質」だと知って胸を撫で下ろしたように、もしも今、悩んでいる方がいたら、同じようにホッとしていただきたいです。
03:17
「いつか」と「オバケ」はないんだなぁと
さあ、そこで今回のテーマ「ストレス解消法と趣味」。この2つをいっぺんに叶えてくれる、夢のようなものを見つけました。
何だと思いますか?
答えは「登山」。もともと富士山が大好きで、いつか登ってみたいなぁと憧れていて。でもそんな時、新型コロナウイルス感染拡大で、当たり前だと思っていた生活が崩れていったんですね。よく通っていたカフェやライブハウスが次々と休業に追い込まれ、人気のない商店街を歩きながら、これからどうなっちゃうんだろうと心がざわついたり。感染拡大防止のため、富士山の登山道を閉鎖するというニュースを見たときは、ショックでたまらなくて。
よく聞く言葉ですが、「いつか」と「オバケ」はないんだなぁと。いつか登りたいじゃなくて、登れる時に登らなくちゃ。
ただ、体力に自信がなかったので、まずは歩こうと意識しました。ひとりウォーキングキャンペーンですね。エスカレーターやエレベーターはこの世に存在しないものだと思い込んで、ひたすら歩いて登って下って。それまでは歩くことも運動も嫌いで、徒歩10分なんて聞くと、うわ~遠い~!なんてぼやいていましたが、今では、徒歩360分、6時間くらいなら、なんとか許容範囲です。すごい成長でしょ?まさに、千里の道も一歩から。
05:09
山からもらった宝物
体力がついてきた頃を見計らって、まずは標高の低い山に挑戦しました。揺らぐ木漏れ日、鳥のさえずり、木や土の匂い、清々しい空気、ゴツゴツとした岩肌。視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚、五感の全てが満たされたと同時に、山から歓迎されているような気持ちになったんです。変な錯覚ですよね。先ほどの「HSP」の話に戻りますが、五感が敏感なのも特徴の1つです。普段の生活だと、眩しすぎる光や騒音、鼻につく匂い、肌触りの悪さなど、敏感さをネガティブに捉える場面が多いのに、山は全く逆で、持て余していた五感に感謝したほどです。
そしてもう1つね、嬉しい変化がありました。10代や20代の頃はバックパッカーをしていて、毎朝、地図を広げて、今日はどの国へ行こうかなぁと考えるところから始めていました。インターネットがない時代だったので、かなりのサバイバルでしたが、性に合っていたんでしょうね。けれど、結婚して母親になり、子どもを育て、地に足がついた日々を過ごしているうち、冒険心は薄れて消えて。それが登山を始めて、大きな岩を登ったり、鎖をつかんだ瞬間、忘れていた気持ちが溢れ出したんです。「わー!こういうダイナミックなことが大好きだった!」って。わたしには成人した3人の娘がいて、子育て終了のゴングが鳴ったところなんですね。親の役目が終わり、自分なんてもう必要ないのかなぁと、ちょっとだけひねくれていたので、このタイミングに大好きだった気持ちを思い出せたのは、古ぼけた宝箱から宝物を見つけたような感覚でした。見つけられて、本当によかった。
07:34
ひとつの登山、ひとつの物語
それから登山に夢中になり、去年は念願の富士山に3.5回登りました。0.5回という中途半端な謎のカウントは、暴風雨で視界が遮られ、やむを得ず、富士山の側火山でもある宝永山に登ったからです。宝永山のクレーターは圧倒的で、山に対して尊敬と崇拝を、畏怖の念を抱きました。最近は山にいる時間が多くなったので、友人から連絡が来る時は決まって、「今、山?下界?」なんて聞かれるんですよ。
春の山も夏の山も、そして秋の山も、それぞれの季節の良さがありますが、つい先日、初めて冬の雪山に登ってきました。悪天候のため登山客はまばらで、聴こえてくるのは降り積もる雪の音と、踏みしめる自分の足音だけ。息を飲むというのはまさにこのことで、静寂さと雪景色が、別世界へ連れて行ってくれたようでした。電波が届かない場所も多いため、デジタルデトックスになるんですね。自然にフォーカスできることも、魅力のひとつじゃないかしら。
体力も技術もまだまだ未熟ですが、挑戦したい山が、国内にも海外にもあります。登山は、ゆったりとリラックスできて、また明日から頑張ろうと自分を鼓舞して、リカバリーできる。ひとつの山を登るたび、ひとつの物語が生まれます。もっともっと、この物語を綴っていけますように。もしね、登山に興味を持たれた方がいらっしゃったら、まずはウォーキングやハイキングから始めるのはいかがですか?いつの日か、山でお会いできたら、とっても嬉しいです。
以上、わたしのリカバリーストーリーでした。